箸材の加工―肥松

肥松の箸材への加工のご依頼です。
1cm角の棒状で、24cmと20cmの長さにして最大本数取りたいとのご希望でした。

肥松と言えば銘木です。
赤松や黒松が何百年もの年数を経て、
中心部分に松脂が多くたまった部分から取れるのが肥松です。

ご依頼主さんがご自身で購入された材料は、
松脂がたっぷり含まれていて、赤身がとても美しい色をしています。
値段がいくらかは分かりませんが、かなり高級な材料だと思われます。
これをお預かりして加工するので、普段よりも特に作業に緊張が走ります。

松脂の部分は赤く光が透けます
実物を受け取ってみると、写真で見るよりもその美しさに一層惚れ惚れしました。
独特の香りが鼻を楽しませます。

材の厚みはほぼ一定でしたので、反りを取る必要がなく一安心しました。
表面は松脂でベタっとしています。
脂分が多い=加工が難しいので、作業工程は少ないに越したことはありません。


元は約45cm×10cm×2.5cmの板状の材料を、
24cm用と20cm用の2枚にカットし、直角を出してから1cm角に加工していきます。

カット時にノコ刃の厚みで失う材料を減らしたかったので
今回はノコ刃の厚みが比較的薄いプロクソンのテーブルソーに活躍してもらいました。

くっつけているので分かりづらいですが1センチ角です

断面も美しいですね
この材料がお箸になり、どこかの食卓で長い間愛用されていく・・・
そんな想像をするのも楽しいものです。

コメント

Unknown さんの投稿…
突然ですが、初めて脂松箸の加工をしています。北海道の下川町「案山子の箸屋」の近藤と申します。
鉋で八角箸を削り、通常はえごま油で仕上げます。
脂松はどのような仕上げが適しているのか、ご指導いただきたくお願いいたします。
Studio7Squares さんの投稿…
近藤さま
コメントありがとうございます。頂いたコメントに気が付かず、返信が遅くなってしまい失礼いたしました。
私共は箸の制作については明るくなく、この件はお客様が肥松の箸を制作するための製材までを承ったものですので、仕上げをどうされるのかまでは伺っておりませんでした。
ご期待に添えるお答えができず申し訳ありません。