神輿の当て木の高さ調整

ここ二、三日は特に寒い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
皆様くれぐれも風邪などひかぬよう暖かくしてお過ごしください。

今回ご紹介する加工事例はそんな寒さも吹き飛びそうな、お祭りに関する物です。 
突然ですが、皆様はこれがどの様に使われるものかお判りでしょうか?





実はこれはお祭りには欠かせない、あのお神輿を担ぐための道具です。
まわりと比べて背の低い人がお神輿を担ぎやすい様に高さを調整するためのアイテムで、お神輿の担ぐ棒と肩の間に挟んで使う物です。 
耳部分の穴に紐を通して、使わない時は腰に掛けられるようになっています。

今回ご依頼をいただくまで恥ずかしながらその存在を知らなかった道具なのですが、 ご依頼いただいてから、子供の頃お神輿を担ごうとして自分だけ肩が全然届かない、、、という経験を思い出しました。


 ご依頼頂いた加工の内容は以下の二点です。

 A、当て木の高さをちょうど良い(担ぎやすい)高さまで低くし、断面の角を焼印が消えない範囲でできるだけ面取りすること
 B、紐を通す穴を、より太い紐が通る様に大きくすること

 Aの加工はスライド丸ノコという工具を使ってカットした後に鉋(かんな)とサンダーで面取りをして仕上げました。
あらかじめ書いておいた線で切断します。

断面に対して直角が出ていないと担いだ時に斜めになってしまうので慎重にカットします。 耳の部分が飛び出しており、そのままでは直角の部分を定規に当てられないので治具を使います。


直角に切断できるように治具を用います

いよいよ切断していきます。
檜の心地よい香りが漂います。









切りっぱなしの状態ではこのように角が立っています

焼印を落とさないように面取りしていきます

下辺と同じ面とりをすると焼印が消えてしまうので
ご希望通りこの面とりで完了です

Bの加工は、木工用ドリルの刃ではなくエンドミル(フライス盤という工具に使う刃)をボール盤に取り付け、フライステーブルを用いて徐々に穴を広げて、 最後に仕上がりのサイズの刃で真円に仕上げるという工程でした。

何故エンドミルを使用するかと言うと、通常の木工用ドリルの刃は中心にキリの様な尖が付いていて、そこを中心にまわりの繊維を切って穴を開けていくので、 今回の様に最初から穴が開いていて中心を取れない時には刃がブレて希望のサイズより大きな穴が開いたり、木がめくれて汚くなってしまうことがあるためです。

フライステーブルにしっかり固定して穴を広げていきます

 以下が仕上がりの写真です。

焼印が入っています
この焼印を消さないように面取りしました
広げた後の穴
ここに紐が通ります

上から見た様子です
この面にすべり止めのゴム板がつきます

横から見ると上部を切り落としたのがよく分かります

加工してからご紹介するまで時間が経ってしまいましたが、
調整した当て木がお祭りで活躍していたら嬉しいですね。

もし、この記事をお読みの方で丁度良いサイズの当て木が必要な方は、
一からの製作も出来ますので是非一度お問い合わせ下さい。
お問い合わせフォームはこちらです。


Studio7Squaresでは、持ち込み材の加工は郵送でも対応しております。その場合は、 加工後に写真をご覧いただき(加工完了のお知らせと共に、写真をアップロードしたURLをお知らせしています)納得して頂いた後に発送させて頂いています。

そんな事情があって、加工の際はいつも沢山の写真を撮ります。 他にもまだまだご紹介したい画像があるので、順次ご紹介していきたいと思います。

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