スウェーデン発の刃物研ぎ機 TORMEC

久しぶりに工具のご紹介です。新しくアトリエに仲間入りしたのはこちら!

TORMEC

スウェーデン発の湿式刃物研磨機TORMEC(トルメック)T8です。

電源を入れると、写真左側の円形の砥石が、下の受け皿の部分で水に浸かりながらゆっくりと回転します。フリーハンドでは刃の角度を一定に研ぐには技術が必要ですが、砥石と平行に伸びているユニバーサルジョイント(専用治具)を使って角度を維持すれば、簡単に早く綺麗に研ぐことができます。

あらゆる刃物に対応する治具が用意されており、彫刻刀、鑿(のみ)、鉋、替え刃式工具の刃物、ガウジ、キャビネットスクレーパー、ナイフ、包丁、ハサミ、、、と色々な刃物を極力研ぎ減らす事なく研ぐことができます。

治具

標準付属の粒度#220の回転砥石の表面をドレッサーで整えると#1000になり、その後は反対側の革砥にコンパウンドをつけて、かえり取り&仕上げ研ぎをします。

それだけでも鏡面に近い仕上がりになりますが、同社から発売されている日本製の交換用回転砥石#4000を使うと、革研ぎしなくても#1000の傷が消えて文字通り鏡の様な鏡面になります。それ以上を求める場合は手研ぎで#8000→#12000をかけて仕上げますが、#4000でほとんど仕上がっている分、短い研ぎ時間で済み、研面もそんなに狂いません。研面直しの頻度も減り作業が早くなります。

日本の鑿や鉋は裏スキがあるので、定期的に裏押し裏出しが必要になる事は変わりませんが、鎬面はほとんどこれで実用レベルに仕上がるので作業効率が上がります。

試しに100均の予備包丁を研いだら、産毛がそれるくらいの切れ味に復活しました。さっそく友人が家で一番切れないという安物の包丁を研ぎに来ましたが、今では家で一番切れる包丁になり、それ以外は使わなくなってしまったという程、好評でした。

 TORMEC
引用:https://www.tormek.com/usa/en/

トルメックは創業約40年になるスウェーデン発祥の企業です。ロゴの色合いからもスウェーデンの企業であることが分かりますね。機械設計のエンジニアで、木工職人でもあったTorgny Jansson氏が、既存の研ぎ機に満足できず、ごく普通の電動ドリルで砥石をゆっくりと回転させて研ぎ機にするアイデアを思いついたのがトルメックの始まりです。以下の第一号機の写真を見ると実にシンプルです。

引用:https://www.tormek.com/international/en/about-tormek/the-tormek-story/

そこから様々な改良や治具の開発が重ねられ、現在の誰でも早く綺麗に研磨できるシステムが出来上がりました。世界30カ国で販売され、大工や彫刻家、レストランのシェフから家庭の主婦まで、刃物を扱う人々から支持されています。

当アトリエではトルメックの導入に伴い、これまで行っていた包丁研ぎに加えその他の治具が必要な刃物研ぎのご依頼もお受けできるようになりました。
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。


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