一位(イチイ)の木でオーダーメイドのコインケースを製作しました

オーダーメイドでご注文頂き、記念コイン用のコインケースを製作致しました。

納期以外では
・コインが4枚入ること
・一位(イチイ)の木で製作すること
・ご提示頂いたイメージ図をもとに製作すること
の条件で設計をし、メールで図面をご確認いただいた後に図面に則り製作を進めさせて頂きました。

イチイ(オンコ)

仕入れたイチイの材です。まずはバンドソーやスライド丸のこを使って、必要な寸法の部材を取ります。
木を厚さ方向に裂く(挽く)場合はバンドソーを使いますが、バンドソーの特長としてドリフト(刃が狙った位置から逸れていく)が起こるのでドリフトを軽減するために4面に切り込みをいれて刃がぶれないようにしてから、バンドソーで挽きます。

下の写真はバンドソーで厚みを挽いた後の様子です。切り出した後、そのままでは表面が粗いので、プレーナーにかけて均一な厚みの材に仕上げます。残りの材もプレーナーにかけて平らな面をだし、その後またバンドソーで挽いていきます。
この様にして蓋になる部分と本体の部分、中央部のコインを入れる薄い材を切り出します。

イチイ

細い材はプロクソンというメーカーが出している卓上テーブルソー(昇降盤)をつかって木取りをしました。

製作過程

ここから薄い材料に穴をコインのサイズの穴を空けたり、本体にコインのバッチ部分が入り込む穴を掘ったり、蓋になる部材を掘り込んだりしてパーツを作り、ボンドで固定します。

製作過程

接着が終わったらボンドがついてる部分を綺麗にして、サンディングをしていきます。サンディングはサンディングペーパーに吹きつけてある研磨材の粒子が荒いもの(番手と言われる数値が低いもの)から研磨材の粒子が細かいもの(番手が高いもの)に向かって作業していきます。
この時あまり番手を飛ばして研磨すると、前の番手でついた傷を落とし切るのにものすごい時間と労力がかかってしまうので、少しずつ番手を上げていきます。

サインディングが終わったら、木の表面を汚れなどから保護して美しさを引き立たせるためにオイルを塗って完成です。

イチイのコインケース

上の写真は閉じたところですが、上蓋と本体の部材を同じ部位から切り出したので、木目が揃っています。また、木が反った時に同じ木目方向から材料を取った方が同じ方向に反るので隙間が生まれにくくなります。

コインケース

蓋をあけた状態です。

表面近くの丸い部分にコインがはまる様になっています。コインの裏面にはバッジの金具がついているので、その部分を収納できるように、中央部には楕円形の穴をあけています。穴の底部にはスポンジが入っていてケースと金具が擦れない様になっています。また、製作時についたフォスナービットという回転刃物の後を隠す役割りも兼ねています。

コインケースの中

裏から見ないと分かりませんが、穴の底には直径1mm前後の小さい穴が空いていて、コインを取り出す必要があるときはそこからピンやクリップなどを差し込めばコインが取り出しやすい様になっています。
(下の画像の青い矢印部分)


完成品の写真をご確認頂いた後、梱包して発送致しました。

到着後、直接お手にとってご確認頂き、大変気に入って頂けたとのことで安心いたしました。以下にお客様から頂いたメールを掲載させて頂きます。

<お客様の声>
いつもお世話になっております。
本日、無事受けとりました。手触りも滑らかで美しく、とても素晴らしい仕上がりでした。
このたびはご無理を申し上げたにも関わらず、こんな素敵なお品物を作って頂き、ありがとうございました。
Studio7Squaresでは、イメージ図やイラストなどからオーダーメイドの家具、木製品、小物などを製作いたしております。
アイディアはあるけど製作してくれるところが見つからない、こんなもの作りたいけどいくらくらいかかるんだろう、という方は是非一度お問い合わせフォームからお問い合わせください。


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