FELDER社の機械を導入予定です

昨年ブログの更新をしていない間に、工房にはドラムサンダーや集塵機が増えたり、他にも色々な設備が加わりました。
その中でも大きなイベントは、昨年末に念願だったFELDER社の機械を注文したことです。
FELDER社はオーストリアの総合機械メーカーで、色々な種類の産業用、DIY向けの機械を製造しています。
どの機械も美しく、合理的に設計されています。

今回注文したのはスピンドルモルダーとスライドテーブルソーの複合機(KF700SP)と手押し鉋盤と自動鉋盤の複合機(AD951)の計2台です。

機械自体は2台ですが、機能としては2×2の4台分となります。

felderプレーナー

felderプレーナー

felderスライドテーブルソー

これらの機械の存在を知ってから何年も悩んだり調べたりを繰り返し、更に見積時に購入先のホルツテクニカ東京さんに色々なことを教えて頂いたので、備忘録も兼ねて以下に概要をまとめてみたいと思います。

あくまで現在注文して到着待ちの状態で、使った感想ではなく下調べから分かった内容のみとなります。今年の夏頃までには届くかと思うので、その時に再度使用感などレビューしてみたいと思います。


KF700SP(スピンドルモルダーとスライドテーブルソーの複合機)

スピンドルモルダー(高速面取り盤)は回転軸が地面に対して直角に取り付けられており、テンプレートを使ったならい加工や、面取り、ほぞなどの仕口加工ができる機械で、乱暴にいうとDIYでお馴染みのルーターテーブルやトリマーテーブルの大型版のような機械です。

KF700Sでは軸を奥方向に45度まで倒すことがきるので、傾斜面取りなどをすることもできます。

また、スピンドルそのものを交換することができるので、軸径もラインナップから選ぶことができ、ルータービット専用の軸を付ければルータービットを使うこともできます。


スライドテーブルソーは大型のパネル材の切断や、ミゾキリ刃でのミゾ突き、縦引き、切り欠き加工ができるテーブルソーです。日本でいうところの横切り盤に近いですが、以下の様な違いがあります。

  • スライドテーブルの長さはKF700Sでは3200mmまで選択できるので、加工範囲としてはパネルソーに近いこと。(工房の天井高さからパネルソーの設置は不可能で、広さからも横切り盤とパネルソーの併設は不可能なため)
  • 可動式のテーブルは作業者から見てのこ刃の左側にあること。
  • 可動式のテーブル(アウトリアガーテーブル)のフェンスが手前と奥で選べ、斜めに設定することも可能なこと。(角材はフェンスを手前、パネルを切るときは奥、という風に選べる)
  • レールが飛び出ていないので同じ稼働範囲の場合、設置面積が少ない。
  • スライドレール部分にクランプなどを固定できる溝があり、各種ジグを取り付けすることができる。
  • 割刃や集塵機能を兼ねたソーガード、緊急停止用のボタンなどの安全面での装置が実用的に取り付けられている。

スピンドルモルダーとスライドソーが組み合わさったKFシリーズ以外にも、それぞれの機械が分かれたKシリーズとFシリーズもあります。

機械を別に置く設置面積、電源や集塵の配管などの手間に加え、FシリーズではKシリーズほど大きなスライドテーブルやクロスカットフェンスなどがなかった(もしくはとても高価)だったと思うので、その点でスライドテーブル用のデジタルフェンスやスライドテーブルを併用できるKFシリーズを選びました。

(FELDERに決めるきっかけになった海外のYouTuberのTimothy Wilmotsさんはブログで、複合機よりもそれぞれ単機能の方が設定の手間がなく、使いたい時に使いたい機能を使いたいと書かれていたので、その辺りは工房の規模や作業人数、好みによるのかと思います。HPはこちらです。)


AD951(手押し鉋盤と自動一面鉋盤の複合機)

手押し鉋盤は回転する刃物で木材の平面を出したり、直角を作る機械です。

自動一面鉋盤は木材の厚みを作る機械です。治具を使って傾斜面を作ることも可能です。

この二つについては過去のブログに内容をまとめてありますので、ご興味がある方はこちらをご覧ください。この記事では、ではなぜ個別の機械にしなかったか、一般的な鉋盤と比べたときの特徴の二点についてご紹介します。

    <複合機にした理由>

  • 金額的なメリット
  • 設置面積の節約(特に自動鉋盤と手押し鉋盤は加工材の移動方向にスペースが必要なので私たちの工房のサイズ感からメリットが大きいと考えた)
  • 集塵フードやコンセントが共有なので集塵、電源設備をまとめることができる
  • 刃の交換や調整が一台分で良い
  • 海外では複合機の普及率が高く、ヘビーに使ってもガタが来ないとのレビューが多かったこと
  • 手押しと自動を別の作業者が同時に使うシーンはあまりなく問題ないと考えたから


    <一般的な鉋盤と比べたときの特徴>

  • スパラルカッター(ヘリカルカッター)がオプションで選択できること

おがくずのボリュームやノイズ、電気代を減少させることができ、刃の寿命が長く、刃かけが起きてもその部分だけ回せばすぐに作業に戻れ、めくれが起きにくい

    また、おがくずが短くなるので集塵しやすくなる

    • 省スペースでも50mm幅の手押しが選択できること
    • 手押しのフェンスの奥行きが比較的少ないこと
    • 電子制御のオプションが豊富にあり、需要に合わせて多くの部分を電子制御にできること

    以上が今回注文したKF700SとAD951の主な特徴です。

    FELDER社の機械は半オーダーメイドなので、同じ機種でも機械の能力やオプションなどを自分で決めることができます。これはメリットでもありますが、逆に使い方や必要なスペックが決まっていない場合はかなり悩むことにもなります。

    私も1年ぐらいウェブカタログや海外のフォーラムやブログ、YouTubeやインスタグラムなどで色々確認しながら使い方のイメージを膨らませていきました。その後ホルツテクニカ東京さんに事細かにご指導頂きながらやっとのことで仕様を決めることができました。聞くのも気が引ける様な細かい質問にも丁寧に対応して頂き有り難うございました。

    購入にあたってお力を貸してくださった方の期待を裏切らない様、今後も全力で頑張っていきたいと思います。

    別の記事で改めて、参考にした外国の動画や記事などをご紹介したいと思います。

    コメント